大腸の腺腫性ポリープの最大の危険因子は、年齢(50才以上)および大腸がんの家族歴です。親兄弟が大腸内視鏡(大腸カメラ)を受けて、大腸ポリープがあると言われた方は、早めの検査をオススメしております。
特に大腸ポリープが多発している方が多い家系や、大腸がんの方が多い家系の場合には、家族性・遺伝性腫瘍(大腸ポリポーシス・リンチ症候群)のことがあるため、注意が必要です。
また、年齢に関しては、50歳以上が特に危険因子とされていますが、統計上は40歳近くから増加が顕著となってきていますので、40歳となった時点(可能であれば30代のうちに)で大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受けておくのが理想です。
加えて、信頼性が高い海外論文により確実視されている危険因子には、赤身肉(特にウィンナーなどの保存・加工肉の過剰摂取)、高カロリーな食事習慣、肥満(運動不足)、過量のアルコール、喫煙があります。逆に、運動不足の解消などの生活習慣の改善により、発生率を低下させられる可能性も示唆されていますが、効果は限定的であるとも考えられています。また前述しましたが患者様の中には、遺伝性大腸がんという、家系的に大腸がんになりやすい方がおられ、特に、「大腸にたくさんのポリープができる場合(家族性ポリポーシス)」、「家族内に大腸がんや関連する多臓器がんを多く発生する場合(リンチ症候群)」などの場合に疑われます。
よって、血縁家族に大腸ポリープや大腸がんと診断された方がいる場合には、年齢が若くても、積極的に検査を受けることがすすめられています。
欧米では、一親等に大腸がんの血縁家族の方がいると、自分の危険度が3倍近くになるというデータもあります。