カンピロバクター腸炎に注意!

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カンピロバクター腸炎に注意!

カンピロバクター腸炎をご存知ですか?近年、国内で発生している食中毒の中で、発生件数が最も多い食中毒です。

クリニックでの診療では、病院勤務時代よりカンピロバクター腸炎を診断することが多く驚いています。

特に、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、発熱患者さんがなかなか病院を受診できないことも問題だと感じています。

発熱や腹痛と下痢を主訴に受診された患者さんも、まずは新型コロナウイルスの検査をせざるを得ません。結果が判明するまで、血液検査や腹部エコー、便培養検査ができないので、診断が遅くなるケースもあります。

そこで、カンピロバクター食中毒の予防が非常に大切です。

カンピロバクターという菌による食中毒は、全国的に多発している食中毒です。特に、飲食店で提供された鶏刺しや鶏タタキを食べることで感染する例が多く見られます。新鮮な食肉を使った飲食店のメニューであっても、加熱不十分な食肉は安全ではありません。

カンピロバクターとは

鶏や牛などをはじめ、あらゆる動物が保菌しているため、食肉に付着していることがあります。中でも鶏肉は検出率が高いことで知られています。

症状と潜伏期間

カンピロバクターによる食中毒は、食べてすぐに症状が出るものではありません。食べてから2日~7日間の潜伏期間の後、下痢や腹痛、発熱などの症状を引き起こします。まれですが、感染から1~3週間後にギラン・バレー症候群を引き起こすこともあります。

潜伏期間が長いので、問診では食べたことを思い出せない患者さんもいらっしゃいます。私は診察時に2週間くらいの間に食べたものを思い出していただくよう心がけています。

予防のために

  1. 新鮮な食肉でもカンピロバクターが付着しており、タタキ程度では加熱不十分です。食肉は中心まで十分に加熱してから食べるよう心がけましょう。
  2. 鶏肉、食肉を生で食べないようにしてください。特に、小さな子どもや妊婦さん、高齢者の方などは、抵抗力が弱く重症化しやすいので、生肉は食べないようにしましょう。
  3. 生の食肉を扱った後は、手洗いや調理器具の洗浄・消毒をしっかり行いましょう。
  4. 生の食肉を保存する際は他の食品と接触しないようにしましょう。

 

日々の心がけて、食中毒は予防できます。

発熱や腹痛、下痢症状があった場合は、早めにクリニックを受診し、相談してくださいね。