過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群(IBS)|ささきクリニック|西明石駅より徒歩1分の内科・胃カメラ・大腸カメラ

過敏性腸症候群(IBS)

朝晩の気温や気圧の変化が激しいこの時期は、自律神経が環境の変化にうまく対応できずにバランスが乱れやすく、心身の不調を訴える方が多くなります。お腹の不調が現れやすい季節です。

過敏性腸症候群(IBS)は、大腸カメラ(内視鏡検査)で何も異常がないのに、お腹の痛みや不快感を伴う下痢や便秘など便通異常が数ヶ月続く病気のことをいいます。

日本人のおよそ10人に1人が抱えていると言われる現代病で、消化器内科を受診する患者さんの約半数がIBSだというデータもあります。病院勤務からクリニック勤務となり、IBSの患者さんに出会うことがとても多くなりました。

中でもIBSとして良く知られているのが、学生や働き盛りの若い男性に多い下痢型のIBSです。
緊張した時やストレスを感じた時に急にお腹がゴロゴロして下痢になってしまう、通勤電車でお腹が痛くなり便意に襲われて駅のトイレに駆け込む、といった症状が典型的です。
IBSの方で電車通学・通勤の方は、どの駅のどのあたりにトイレがあるかを把握されている方が多いと言う話を耳にします。マイカー通勤の方は、トイレの使えるコンビニの場所、高速道路のSAの場所を把握されている方も多いようです。

こんな腸の状態がずっと続くと、通勤・通学、仕事・勉学などに支障をきたし、生活の質を大きく落としてしまいます。

一方で、女性には便秘型のIBSが目立ちます。
何日も出ないような便秘であっても、お腹の痛みや不快感を全く感じない「便秘でも平気な人」もいますが、こういった方はIBSとは言いません。また、痛みがあっても月3回もしくは週1回以下と頻度が少ない場合は、IBSの診断基準を満たさないため、機能性便秘と診断されます。
最近では女性だけでなく、10〜20代の便秘型IBS男子も多くなっているようです。

他に、混合型IBSと言って、3~4日間便が出ず、最初に硬い便が出たあとはしばらく下痢になるといった便秘・下痢両方の症状を繰り返すタイプの方もいらっしゃいます。

どのタイプも共通するのは、腸の運動や知覚などの「機能」の異常が原因だということです。
腸の運動や知覚は、「脳」と「腸」の間の情報交換により制御されています。
「腸脳相関」という言葉も聞くようになりました。

自律神経の乱れやストレスがかかると、脳と腸の情報交換がうまくいかなくなります。その結果として、腸が一定のリズムで動かなくなり、痛みを感じやすい内臓の知覚過敏状態になってしまうのです。
ストレスを完全に避ける生活は難しいかもしれませんが、寝不足や食生活の乱れを避けて自律神経のバランスを整えることが、腸の症状の改善につながります。

お腹の痛みや不快感を伴う下痢や便秘など便通異常でお困りの方、いつでもお気軽にご相談ください。